NPO・NGOの現場からうまれた文献のbook review

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C1221566 髙橋勇人さん (8t518wcm)2023/7/26 13:07 (No.857611)削除
本書は、まず不倫を「既婚者が、配偶者以外の相手と恋愛感情を伴った肉体関係を持ち、かつその関係を継続する意志を相手方と共有していること」と定義して進めていく。
不倫をしてしまう人を私たちはどうしても不誠実な人、他の肉体関係に逃げてしまった人と捉えがちだが、その行為に至ってしまう要因の一つに現在の社会が関係している理由の数々を本書では書かれている。
著者である坂爪真吾さんはNPO団体ホワイトハンズの代表であり、新しい性の公共を作るという理念のもの重度身体障害者の射精介助サービスや女性風俗者の無料相談などの活動をしている。
そのため、不倫を個人的な感情では無く、学問や歴史の観点から見ており、不倫問題の新しい側面を知ることが出来る。
大まかな構成としては、第1部では、不倫の定義や種類を説明した上で、心理学や文化人類学の観点から不倫を見ることで生物としての生き方と社会の形の矛盾について述べている。また、不倫の今までの歴史を見ることで不倫の扱われ方の変化を説明している。第2部では、不倫をウイルスとして捉え、社会が不倫を行わないための「不倫ワクチン」を、婚外セックスの導入やポリアモリーという関係者全員の合意を得た上で複数人と恋愛関係を結ぶ恋愛スタイルを周知させることで行おうとしている。
また、本書では不倫=身体的欲求だけではなく、アルコールやギャンブルと同じく、不倫をすることでどうにか身体と精神の安定を保っている状態になっている場合もあると捉え、その場合、その不倫は個人間でどうにかなる問題ではなく、第三者による社会的な支援が必要になる。その意味でも不倫は社会問題であると述べている。
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松田由依さん (8swdaty0)2023/7/26 13:06 (No.857610)削除
いじめの被害者と加害者——阿部泰尚『いじめと探偵』(幻冬舎新書、2013/7/30)

いじめ探偵とは依頼者の要望に沿って調査する(証拠を集める)ことである。本書では実際にいじめ調査の現場で見聞きしたいじめの現実をリアルに再現しそれは全て真実である。
 いじめの種類はたくさんありカツアゲや集団レイプなどの金関連、さまざまあるが今回2つ事例を挙げるならば女子中学生が不良になった原因を調べてくれという依頼だ。普段から真面目な子で学校でも問題を起こしたことがなかったが万引きをして補導された。まだ中学生であったこともありお店側は警察ではなく学校に通報した。その事件以来泣いてばかりで何も喋ろうとしない。早速調査を調べていくと原因は集団によるいじめだと分かった。5.6人の女子生徒が万引きするよう指示を受けていたようだ。時間をかけながら証拠を集めこの事件は解決された。子供は親にいじめの事実を隠す傾向が高いため信用できる友人をつくらことが大切である。ところで学校側はいじめ関連になると話を濁し、学校の評判を気にし、謝罪や解決後の対策、揉め事になるのがめんどくさいためいじめを嫌う。東京のある小学校では小学5年生の児童が同級生から靴を隠される、教科書・ランドセル・体操着を汚されるという物壊し型のいじめを継続的に受けていたがこのいじめを学校の校長先生は「最近校内で私物が壊されているとの報告があるため外部から誰かが侵入している可能性があるので学校の警備を強化する亅と宣言した。いじめという事実は明々白々なのに本当に警備強化を行ったのである。当然いじめはなくならなかった。耐えきれなくなった保護者たちは地域の校長会に乗り込み激しい会話が交わされ、その結果学校側は学校としていじめている子を指導すると約束し実際に指導が行われ、その後簡単にいじめはなくなったのである。子供は態度でSOSを発信している。
 いじめは完全に無くすのは難しいが子供をいじめから守るために大人ができることはたくさんある。今日もいじめ探偵はたくさんのいじめを解決していくのである。いじめ探偵(=NPO•NGO活動)はなくてはならない活動だと実感した本だった。(864字)
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C1211941 松本尊さん (8t2gt30m)2023/7/24 18:16 (No.855954)削除
大震災・原発事故、新しい時代への災害ボランティア論 ーーボランティア山形 綾部誠/井上肇/新関寧/丸山弘志『市民の力で東北復興』(ほんの木 2012年)

 著者たちは「ボランティア山形」を阪神淡路大震災を機に結成し、阪神淡路大震災の災害救援活動を行った。その経験で培ったノウハウを活かし、東日本大震災のときも米沢市の様々な地域団体と「ボランティア米沢」を結成し、南相馬市から避難してきた人たちへの災害救援ボランティアを行った。本書ではそこでの著者たちの経験談を踏まえながら、ボランティアの原点や増やしていくためにすべきこと,行う上で大切なこと等について4人の著者の対話形式で書かれている。
 著者たちは「ボランティア米沢」において、全国のNPO・NGO生協のネットワークと協力して、被災者のニーズに応え、食料や生活用品を配ったり、足湯で被災者の心を癒やしたり等の活動を行った。そういったネットワークが形作られていったのには、「信頼関係」という物が根底にあった。「信頼関係」は物資を届けるときだけでなく情報の発信先やそれが信頼できるものか判断するときに重要になると著者の一人、丸山さんは語る。被災者との場合は「傾聴」によって、被災者の支援者に対する安心感として出来上がっていくとしている。そういったものを作って、地域で集まって助け合ってきたというところにボランティアの原点があると同じく丸山さんは語る。そのような信頼関係をもととして、メンバーをまとめるボランティア団体のリーダーやコーディネーターの育成の場を大学の専門コースとしてこれから構築していくべきだと終盤で著者の一人、綾部さんは語る。
 本書を読んで、ボランティアにおいては、人と人の信頼関係というものが一番大事であることを学べた。丸山さんも阪神淡路大震災の時に支援をしていた皆さんと信頼関係を築いていたため、その皆さんが物を送ってくれたり、人を派遣したりしてくれてありがたかったという。こういったことからも人間関係形成においてだけでなく、ボランティアをやっていく上でも人と人との信頼関係は困った事態が起こった時に役立つものであるんだと知ることができた。このようにボランティアについて深く知るためにも、まずこの1冊を手に取って欲しいと思う。(862字)
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C1211941 松本尊さん (8t4zxa4j)2023/7/26 12:37削除
こちらの方で評価よろしくお願いします。
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C1211941 松本尊さん (8t2gt30m)2023/7/24 17:59 (No.855940)削除
大震災・原発事故、新しい時代への災害ボランティア論 ーーボランティア山形 綾部誠/井上肇/新関寧/丸山弘志『市民の力で東北復興』(ほんの木 2012年)

 著者たちは「ボランティア山形」を阪神淡路大震災を機に結成し、阪神淡路大震災の災害救援活動を行った。その経験で培ったノウハウを活かし、東日本大震災のときも米沢市の様々な地域団体と「ボランティア米沢」を結成し、南相馬市から避難してきた人たちへの災害救援ボランティアを行った。本書ではそこでの著者たちの経験談を踏まえながら、ボランティアの原点や増やしていくためにすべきこと,行う上で大切なこと等について4人の著者の対話形式で書かれている。
 著者たちは「ボランティア米沢」において、全国のNPO・NGO生協のネットワークと協力して、被災者のニーズに応え、食料や生活用品を配ったり、足湯で被災者の心を癒やしたり等の活動を行った。そういったネットワークが形作られていったのには、「信頼関係」という物が根底にあった。「信頼関係」は物資を届けるときだけでなく情報の発信先やそれが信頼できるものか判断するときに重要になると丸山さんは語る。被災者との場合は「傾聴」によって、被災者の支援者に対する安心感として出来上がっていくとしている。そういったものを作って、地域で集まって助け合ってきたというところにボランティアの原点があると同じく丸山さんは語る。そのような信頼関係をもととして、メンバーをまとめるボランティア団体のリーダーやコーディネーターの育成の場を大学の専門コースとしてこれから構築していくべきだと終盤で綾部さんは語る。
 本書を読んで、ボランティアにおいては、人と人の信頼関係というものが一番大事であることを学べた。丸山さんも阪神淡路大震災の時に支援をしていた皆さんと信頼関係を築いていたため、その皆さんが物を送ってくれたり、人を派遣したりしてくれてありがたかったという。こういったことからも人間関係形成においてだけでなく、ボランティアをやっていく上でも人と人との信頼関係は困った事態が起こった時に役立つものであるんだと知ることができた。このようにボランティアについて深く知るためにも、まずこの1冊を手に取って欲しいと思う。(850字)
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C1211941 松本尊さん (8t4zxa4j)2023/7/26 12:34削除
こちらは失敗したものです。
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C1221684 土田祥大さん (8t4u8nui)2023/7/26 09:50 (No.857491)削除
幻に想う――田中 弥生『「NPO」幻想と現実―それは本当に人々を幸福にしているのだろうか?』(同友館、1999年)
 私は本書のタイトルに惹かれて本書を手に取った。本書の著者である田中弥生はWikipediaによると経営学者であり、日本NPO学会の会長を歴任している人物である。
 本書では、冒頭で「NPOは本当に人を幸せにしているのだろうか」と題し、点字本作成のため図書館で点字点訳者の育成をし、点訳スピードの速い卒業生を排出するも、結果的に図書館側の希望する本を点訳してもらうのを諦めた事例と、福祉施設でのボランティアのはずが、逆に利用者たちが「聞きボランティア」状態になっているという事例の二つの事例を挙げている。ここから察せるように、筆者は人を幸せにするNPOの活動の「幸せ」の部分に疑問を抱いている人なのだと感じた。しかし、その後の内容は、NPOの概要や定義、活動タイプといった説明や解説が大半で、事例についても、詳細に書かれているのは冒頭だけで、以降に出てくる事例は2、3行と短く、もう少し詳細に書いてもらえればわかりやすかったと感じた。
本書を読んだ私個人の感想は、筆者がNPOの活動にはNPOの支援を受ける側の施設との活動内容や人格のミスマッチの可能性を指摘しているのは伝わってきたが、この指摘をふまえた筆者の考え、最終的に読み手に何を伝えたいのかがなく、NPO活動の解説書、説明書を読んでいる気分になり、加えて筆者の本書にこめたメッセージがわからなかった。そんな一冊であった。
 だが、本書はとても読みやすい一冊であったと私は感じた。本書が筆者の修士論文の一部加筆版であるためか、NPOとは何か、課題などが章ごとにわかれており、かつ事細かに説明されていた。特にNPOの概要や定義が読んでいて一番わかりやすく、これからNPO活動を始める人やNPOの世界の扉を叩こうと考えている人には、一読の価値はあると薦められると私は考える。
 最後に、このレビューは私個人の感想であり、あてにはならないことを断っておく。
NPOに興味のあるあなた、これからNPO活動を始めたいあなた、本書のタイトルに惹かれたあなた。もしあなたに興味と勇気があるのなら、本書を手に取ってみてはいかがだろうか。
(845文字)
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c1220590 加藤侑海さん (8t4i3fo3)2023/7/26 04:10 (No.857283)削除
武装解除と平和 ーー 瀬谷ルミ子 『職業は武装解除』(朝日文庫 2015)
本書は著者の行っている戦争が終わった後兵士から武器を回収し一般市民として生活していけるように職業訓練などを施し社会復帰させる活動「武装解除」を通して筆者が目の当たりにした紛争地帯や武装解除の現状などを通して「平和」ついて書かれている。
筆者は現地での武装解除の活動を通して、少年兵が武装組織に利用され、紛争終結後に帰る場所を失ったり追い出されたりしてしまう現状や手足を失い働けなくなってしまった人々に対して政府が十分な援助を受けられていないのに対して、武装勢力は兵士をやめ武器を捨てることと引き換えに無罪にするといったような恩赦が与えられている現状と直接触れ合うことで、平和のための犠牲者がいるということを認識する。また武装解除を進めることで武装組織が復活した際に地域の安全を守ること難しくなってしまったという体験談からも武装解除が本当に正し事なのかと我々読者は考えさせられる。
瀬谷さんの運営するJCCPの活動は「紛争地の人々に生きる選択肢を増やす」ことを目的としている。これを実現するための手段が人材育成だ。これは最終的に国が外部の援助なしに独り立ちする際に一番の課題となるのが人材不足だからである。この人材育成は武装解除される国の市民だけが対象というわけではなく、国連、現地政府、現地NGOなどJCCPが携わる活動ごとに対象は様々だ。例としてソマリアでの治安上の問題を解決するために住民が客観的なデータを活用し自分達から問題解決に取り組んでもらえるよう住民に計画立案能力をつけてもらうための訓練の実施や兵士や村の住民たちが暴力を用いず問題解決ができるようにするための能力強化研修やスーダンでのスラムでのスラムの若者をコミュニティ・カウンセラーとして育成する活動などがあげられる。これらの活動にはJCCPの目的である人材育成だけでなく、暴力に走るより問題解決を目指す方が得るものがあるという価値観の浸透による将来の紛争予防の意味合いも兼ねている。
このように本書は本当に戦いが終わることが「平和」なのかと今一度考えるきっかけとなる書である。
(862字)
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C1221081 佐々木拳志さん (8t4fjy3h)2023/7/26 02:59 (No.857279)削除
引きこもりを読み解くーー久世芽亜里「コンビニは通える引きこもりたち」(新潮新書、2020)

 本書では、著者である久世芽亜里さんが、引きこもり支援団体で活動してきた経験をもとに引きこもりの実態について論じているものである。
 引きこもりに対して、社会はどのようなイメージを持っているだろうか。私は、働かず、数か月間を通して家から出ない人を引きこもりと呼んでいると考えていた。しかし、本書を読んだ後では、このイメージが単なる偏見であることに気付かされる。本書によれば、15歳から64歳を対象とした調査で、約9割弱がコンビニ程度の外出をしていることがわかった。私の持っていたイメージとは真逆で、引きこもりと一言では表現できないほど、その実態は複雑である。
 引きこもりになる原因についても、学校や仕事、病気、人間関係など様々な要因が関係している。本書では、実際に10年間働いていたが、うつの傾向がみられたがために休職、そのまま引きこもりになった事例が紹介されている。また、大学生では、就活での挫折、人間関係の悩みから一人暮らしのまま引きこもりになった事例など、引きこもりになる過程は多種多様である。それに伴って、支援団体の支援方法も試行錯誤が求められる。
 本書では、支援の最終目標を、「親の子離れ、子の親離れ」と定義している。確かに、紹介されていた引きこもりの事例でも、そのほとんどが実家で暮らしていたり、一人暮らしでも親からの送金があったりと、親依存の体制が多いように思える。親側でも、当事者の心情を考慮しすぎるためか、中々社会復帰を促しずらい課題がある。引きこもり支援と聞くと、いかに子供側の意識を変えるかという、子供を側を軸とした議論が展開されがちである。しかし、親側も変わらなければ、引きこもりから抜け出すことはできない。
 本書では、引きこもりの実態について学ぶことができた。引きこもりになる原因から、その支援まで様々な要因と方法がある。その実態を知り、親も子供も、支援活動も、まず行動してみることが大切である。
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c1201813 千葉翔太さん (8t4ekahj)2023/7/26 02:32 (No.857276)削除
生活者目線の支援策探る――三好亜矢子・生江明編『3.11以後を生きるヒント:普段着の市民による「支縁の思考」』(新評論、2012年)評

本書は3.11が起きた後の災害ボランティアについて体験した方々の活動について書かれている。筆者たちはそれぞれ東北の沿岸部で3.11を体験した方や、被災地を取材して行われていた活動についてまとめている。
 本書では3.11が発生した際の状況から災害ボランティアとして活動するまでそれぞれの方の話が書かれている。実際に津波を目の当たりにした筆者もいれば、神戸で地震を経験した筆者もいる。震災が発生した際の状況が違うがそれぞれ、災害発生からほどなくしてボランティアとして活動している。震災が発生し、まちが壊滅した中で、自らができることを見つけ出し自主的に行動している。本書では15の事例が取り上げられており、それぞれどのような活動を行ったのか、どのような経験をしたのかなど細かく取り上げられている。まごころ広場うすざわの代表として活動する臼澤さんは自ら津波を経験し、被災した中で非難所の運営サポート、居場所づくり、まち全体の復興と様々な活動を行った。またそれぞれがプロの素人として活動しており、自分には何ができて何ができないのかを明確にしているため、自分にできないことはほかの人を探すことが出来る。この本に登場する方々に共通することが「支縁」という考え方である。誰の助けも受け付けない自己完結型ではなく他者の助けを必要としている人たちであるということ。また自らつながりをつくり、様々な人とつながり、行政の縦割りの構造を横の方向にのばしていける人たちであるということである。他者を支える支援から、お互いの関係を支えあう支縁という新しい方向を目指している。3.11を経験し、それまでの縦割りの社会からさまざまな方法へつながりを作り、輪を広げていくことが出来ている。
 本書を読み、縦割りの社会の中で横のつながりを作っていくことの大切さを3.11という出来事を通じて知ることが出来る。現在の社会に生きる人にぜひ手に取ってほしい一冊だと思う。(855字)
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C1202391 結城花恋さん (8t4eg8sq)2023/7/26 02:30 (No.857275)削除
湯浅誠『ヒーローを待っていても世界は変わらない』
(朝日新聞文庫 2012年8月)

この本では、民主主義とは何なのかや基本的な事が示されている。そして日本の民主主義の現状や、そこに現れている課題について述べられている。そこで私は、民主主義と私たちは決して無関係ではないのではと考えさせられた。書かれていることは、貧困格差問題や民主主義だけでなく、日本の沢山の領域で当てはまることと思う。複雑化した領域の問題を解決する魔法の杖は無い。ただ複雑なので「任せる、ただし自分に利するよう」とすると、いつか逆に自分が利さないこともある。結局は場を作り、お互い意見を言い考えを知り他人事でなく自分ごとにし、という地道な調整プロセスが重要だということが分かった。現実への向き合い方、言語化の解像度の高さ、過激さに走らない冷静さが凄い。結論で、主権者としての行動、自分ごと化する、面倒でも立場や意見の違いを受け止め認めて調整する、ひいては民主主義の活性化へとつながるとされていることは、一歩引いてみると市民活動家らしい結論だと思った。
私の「思い通り」と、他人の「思い通り」は同じわけではない。それは今のコロナ禍であちこちに見えていることだと思う。それぞれの立場で正論がある中で、自分と違う正論だけをバッサリ切り捨てて良いわけではないと思った。
この本を読み、湯浅さんの活動的には理想を掲げつづけなければいけないのだけれど、湯浅さん自体がある種のヒーローにまつりあげられたり、ある種都合よく利用された部分もあるからこそ現実的なものを目の当たりにしたというのは伝わってきた。世の人には様々な価値観があり様々な生き方、見方があることを考えつつ、様々な意見を見聞きすることはとても大切なことだと思う。そして、民主主義についてとても考えた本であった。とても興味深く、薄々気づいていたけれど見ないふりをしていたことを目の前に突きつけられた気分になった。私にできることは何なんだろうと思った。とにかくこれからは、選挙には必ず行く事だと思う。(812文字)
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c1222040布施秀人さん (8t4dddpg)2023/7/26 02:25 (No.857268)削除
仁藤夢乃 「女子高生の裏社会」〜関係性の貧困に生きる少女たち  光分社 2014、8.20

 この本の筆者の仁藤さんは自身の経験から高校生へ向けた活動を行なっている。しかし普通の高校生ではなく「難民高校生」という家庭や学校に居場所がない高校生のことを指す。主に女子高生の裏社会、いわゆる売春や援交といったものがテーマに描かれている。こういった行為はjk産業と呼ばれておりjkお散歩jkリフレなどがある。現在そういったことを行い生活している女子高生達にインタビューをし実態を探っていくというのが本書の主な内容である。
 初めにjkお散歩、立ちんぼなどと呼ばれているものについてだ。実態として友人からの紹介やスカウトなどから始めるものが多くお金を受け取ったのちお客さんとご飯を食べにいったりできる。だが性的目的で近づいてくる人も多く被害に遭った人などもいるようだ。しかしそういった被害は自分は遭わない、大丈夫だろうと考えている者も多く辞めずに続けている者が多い。こういった立ちんぼなどの店は系列店が多く店によって特徴を変えることで私はこの店に必要とされているという意識を芽生えさせ所属意識がつき辞められないようにしているのだ。jkリフレについても同様だがこちらは性的なサービスを受けれる場合が多く、客を取るために過激なサービスを行っているものが多い。
 こういった行為を行なっている者は家庭が不自由な子や家庭環境が複雑な子が足を踏み入れてしまう。家庭が経済的に貧しく経済的に困窮していても、誰にも頼れず苦しんでいても虐待やネグレクトを受けていても彼女たちは立ちんぼやリフレで稼いだ金で綺麗な服を着ておめかしをするため貧困や孤立状態にあることに気づけないのだ。
 家庭や学校に頼れず「関係性の貧困」の中にいる彼女たちに裏社会は「衣食住」や「関係性」を提供する。また最近ではこういった貧困層、不安定層の他に生活安定層の家庭環境が良好な場合でも行為を行っている者もいる。行為自体が悪だがそれを客として使う大人がいることも事実である。自分で判断し行動するというのも大切だが大人として子供で判断能力もない女性に対し声をかける男性側が変わる必要があると感じた。(869字)
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