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C1221566 髙橋勇人さん (8t518wcm)2023/7/26 13:07 (No.857611)削除本書は、まず不倫を「既婚者が、配偶者以外の相手と恋愛感情を伴った肉体関係を持ち、かつその関係を継続する意志を相手方と共有していること」と定義して進めていく。
不倫をしてしまう人を私たちはどうしても不誠実な人、他の肉体関係に逃げてしまった人と捉えがちだが、その行為に至ってしまう要因の一つに現在の社会が関係している理由の数々を本書では書かれている。
著者である坂爪真吾さんはNPO団体ホワイトハンズの代表であり、新しい性の公共を作るという理念のもの重度身体障害者の射精介助サービスや女性風俗者の無料相談などの活動をしている。
そのため、不倫を個人的な感情では無く、学問や歴史の観点から見ており、不倫問題の新しい側面を知ることが出来る。
大まかな構成としては、第1部では、不倫の定義や種類を説明した上で、心理学や文化人類学の観点から不倫を見ることで生物としての生き方と社会の形の矛盾について述べている。また、不倫の今までの歴史を見ることで不倫の扱われ方の変化を説明している。第2部では、不倫をウイルスとして捉え、社会が不倫を行わないための「不倫ワクチン」を、婚外セックスの導入やポリアモリーという関係者全員の合意を得た上で複数人と恋愛関係を結ぶ恋愛スタイルを周知させることで行おうとしている。
また、本書では不倫=身体的欲求だけではなく、アルコールやギャンブルと同じく、不倫をすることでどうにか身体と精神の安定を保っている状態になっている場合もあると捉え、その場合、その不倫は個人間でどうにかなる問題ではなく、第三者による社会的な支援が必要になる。その意味でも不倫は社会問題であると述べている。