NPO・NGOの現場からうまれた文献のbook review

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C1202043 長谷川琴音さん (80cz1qg7)2021/7/31 11:16 (No.239511)
不倫をなくすには--坂爪真吾『初めての不倫学 「社会問題」として考える』(光文社、2015年)

この本の著者は坂爪真吾さんである。坂爪さんは一般社団法人ホワイトハンズの代表理事で、"新しい「性の公共」をつくる"の理念の下、活動を行っている。具体的な活動としては、重度身体障がい者への射精介助サービスや性風俗産業の社会化を目指す「セックスワーク・サミット」の開催などを行っている。著書には「セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱」(小学館101新書)、「男子の貞操」(ちくま新書)がある。
この本では、不倫を社会問題として捉え、不倫の予防と回避のための処方箋を提供している。
著者の坂爪さんは、不倫を未然に防ぐためには、婚外セックスが必要であると、この本の中で言っている。この本の中に出てくる朝井賢一さんは、「夫がED」「夫のセックスが下手」「セックスの練習がしたい」などの悩みを抱える女性や夫婦の助けになりたい、と婚外セックスを行っている。円満な婚外セックスを送るための鉄則としては、家庭を大切にする、家族に迷惑をかけない、一度きりの人生を楽しむ、やきもちはほどほどに、の4つである。婚外セックスの効果としては、家族に優しくなったり、食事や健康に気を遣うようになったりしたことが挙げられる。
また、この本で挙げられている具体的な活動としては、スワッピングもある。スワッピングとは、夫婦交換や夫婦交際などと訳され、別の夫婦とお互いにパートナーを交換してセックスをするというものだ。スワッピングの最終目標は「パートナー間の愛をさらに深めること」であり、夫婦間の完全な合意、性的指向、ロールモデルの存在が前提条件である。新しいメスの性的パートナーとの出会いがあるとオスの性的欲求が回復する現象を生物学では「クーリッジ効果」と呼ばれており、スワッピングでは、この効果が見られるとみなされている。
このように、坂爪さんは、普通の生活を送っている人には考え難いような案を不倫ワクチンとして提案している。そうでもしないと不倫はなくならないのか、と読んでいて悲しくなったが、それがいまの日本の現実であり、そう呼びかけ活動していかないとこの社会問題は解決できないのだろうと思った。(878字)
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c1201434 庄司桃音さん (80ct6n3t)2021/7/31 08:33 (No.239480)
ブラック企業の事実
今野春貴「ブラック企業2 虐待型管理の真相」文藝春秋 2016年3月11日


今回の本では実際ブラック企業に入った若者たちに話を聞きブラック企業の事態を暴いていた。そこで目にしたものとは研修の段階から人格を変えてしまうような指導が行われていた。人びとの心理を利用したような残酷な内容が書かれていた。大手企業の内定を獲得した若者は常識から見たら考えられない速さで研修を組ませられる。自分の失敗を全員の前でさらされずっと謝罪をするような環境に置かれ、同期の人格もだんだんと攻撃性があるものへと変化していきお互いにお互いを攻撃しあうような状況ができてしまっていた。ブラック起業が求めている人材には個人の尊重などではなく、ただ素直にいう事を聞く都合のいいロボットを求めているのだと感じられた。このような事実に私達は驚愕してしまうようにあまりにも現実の事実からかけ離れてしまっていると考える。この本では私達読者が空論を越えておとぎ話のように感じてしまっていることに対してしっかりと事実に目を向けてほしいと伝えている。ほかの本と比較してみて違うところは事実を徹底的に掲載しそれから雇用改革制度に一石を投じることができるのではないかという点である。いやならやめてしまえばいいという手段が通じない中で私たちにできることは何か、しっかりと現実に向き合わせられる一冊となっている。
 筆者自身POSSEというNPO活動を行っており、筆者が編集を担当した記事を適正利用されていた。
年間3000r件以上の労働相談に関係しており自らが代表を務めている。数々のブラック企業に対する研究や本を出しており日本政府から勉強会の委託を受けるなど、ブラック企業対策に日々貢献している。そのような活動を通して今回の本ではブラック企業に対する事実とその対策を述べていた。(770
字)
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c1201434 庄司桃音さん (80ct6n3t)2021/7/31 08:33 (No.239479)
「私達とブラック企業」
今野春貴 「ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪」 文藝春秋 2012年11月19日


 この本では働きすぎをキーワードに当たり前になっている日本の働き方を問い直すことを書かれていた。現在日本はブラック企業を中心に働きすぎによって命を奪われる若者が増えている。本書のテーマでもある老年過労死派これからの働き方を考えるうえで絶対に欠かせない深刻なテーマとなっている。そしてその手前でとどまったものの健康を奪われている若者が多数いるという事を忘れてはいけない。そして次に論議されていたのがブラック企業は私達が作り出しているのではないかという事である。このことから考えられることは日本におけるすべての人々に関わりあるのがブラック企業という事だ。自分が働いてなくても働きすぎの人が周りにいないという状況はきわめてまれである。それぐらい私達は働きすぎに慣れ親んでしまっている。この本の内容はブラック企業の原因を探りつつも私達に改めて、ブラック企業が当たり前に広がっている現状を問いただしている。自分たちは知らず知らずのうちにブラック企業に加担してしまっているのではないか?どうすればこのような社会を克服することができるのだろうか?その解決策を本を読んでいくことによって自分たち自身で当たり前の社会を変えていくことができるのではないだろうかと述べられている。
 今回のNPO活動はPOSSEという、精神疾患や退職や休職を余儀なくされた人たちの相談を引き受けるという活動に取り組んでいた。筆者自身弁護士を目指していた人であり様々な人権活動を行う現場に足を踏み入れていくうちに自分が知らないだけで身近なところには数々の社会問題があることを学んでいた。しかしそのような中で労働運動、社会運動を自ら出始めてしまおうという人達にあったことは学生時代は少なく、それらがきっかけでPOSSEというNPO活動を始めたのだと書かれていた。(766文字)
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c1201434 庄司桃音さん (80ct6n3t)2021/7/31 08:32 (No.239478)
「多様性の生き方を」
 奥地圭子 「不登校という生き方」 教育の多様化と子供の権利 NHK 出版 2005年8月26日 

今回のこの本で取り上げられていたテーマは不登校をどうとらえ生きていくかということを述べられていた。不登校に対してどう向き合っていくのか、この本では不登校は病気ではないという一つの答えを出していた。学校と距離を取り、学校に行くことを求めない生徒たちに対して病気扱いをして治療しなければいけない対象として社会的地位から扱うという事は将来的に大きな問題を残してしまうことになる。不登校というものは子供にとって多様性を奪ってしまうような言葉である。別に学校に行かなくたっていいし行ったっていい場所という認識であること。常識になんてとらわれないという事という内容であった。
 筆者自身は自分の息子が不登校になったことがある経験を持つ人だった。学校に行けば体調を崩し家にいれば体調がよくなっていく息子を見て無理に頑張らせていてしまっていたと言っていた。その時の心境と言えば不登校なんてありえないと話している先生を気にする自分、活かせようとすればするほど学校を拒否する息子。とにかく世間体というものをとにかく気にしているような感じであった。
しかしある医者の言葉をきっかけに息子を一人の人間として尊重することの大切さ、個性の大切さなどに気づき不登校に対して考え始める。
 NPO活動としては海外のホームエデュケーションを研究し意識した東京シューレというフリースクール活動に取り組んでいた。絶対にどんな子でも、入りたいと言っているなら受け入れることを前提としていた。この活動によって学校にいかに子供たちに居場所が与えられ、また学校とは別の選択肢や可能性がひろがってくる。このような活動を通して子供たちは家庭でもちゃんと育つという事、家庭を中心に育つことを罪悪視しないような価値観を広げている。(747文字)
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c1192385 森蓮さん (80chs6my)2021/7/31 03:12 (No.239434)
“働きすぎ”のリアルとこれからーー川村遼平『若者を殺し続けるブラック企業の構造』(株式会社KADOKAWA、2014年)

 本書の著者である川村遼平さんは、若者の労働相談を無償で受け付けるNPO法人「POSSE」の事務局長を務めており、本書において、「働きすぎ」をキーワードに若者の過労死問題を実例とともに扱っている。過労死が管理職を主とする問題から、若者や女性まで広がっているという現状を受けて、「働きすぎ」が常態化してしまっている日本の現状を法律・制度面から分析し、過労死ラインにより働きすぎか否かが決定される「働き方」を改善するために必要な取り組みが述べられている。
 著者は過労死の原因を、「働きすぎ」を未然に防ぐ公的基準が存在しないことであると指摘している。事実、過労死ラインという公的基準が存在するものの、この基準は誰かが倒れて初めて現れ、その病が働きすぎに起因するものか否かを判断する材料に過ぎず過労を未然に防ぐものではないことを示している。
 また特別条項付き36協定によって過労死ラインにやや満たない程度の時間外労働は容認され、固定残業代やみなし労働時間制によって労働時間は当然の如く誤魔化される。しかし労働者は、失業保険制度が充実しておらず中途採用枠が極端に少ない新卒一括採用・終身雇用・年功序列賃金の社会システムの下、その労働環境から逃げられないのである。著者は、こうした実態を当然と受け入れる、或いは前述した意外にも様々な事情により仕方なく受け入れざるを得ない労働者個人もブラック企業を生み出す温床になっていると更に指摘している。
 これらを改善する手段として著者は、職種や業界単位で労働時間に関する規制を設けることで労働時間に依存した競争から抜け出すことを提案している。個人としては、ゼロから過労死ラインを生み出した過労死遺族や労働運動のように現場に近い人々が声を上げ続けること。遺族の声に耳を傾け、法律制定を求める署名活動に参加すること。企業選択の知識を身につけることなどを挙げている。
 本書ではこのように当たり前となった「働きすぎ」の実態を取り上げ、それを問い直し、過労死ラインが必要ない社会を目指す取り組みが紹介されている。(859字)
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c1200676 加藤竜聖さん (80bvoii4)2021/7/30 16:54 (No.239171)削除
不倫はなくならないのか――坂爪真吾『はじめての不倫学』 (光文社, 2015年)

 この本の著者である坂爪さんはNPO・ホワイトハンズという団体で代表を務めており、障がい者に対する射精介助サービスなど制に関する取り組みを行っている。
この本では社会問題になっている不倫をどのようにしたらなくすことができるのかということが述べられている。不倫をすることは多くの悪影響が存在している。当事者に大きなダメージがあるだけでなく、周りの人や子供にまで悪影響が出てしまう。だからこそ、不倫は防止する必要がある。このように不倫がいかに良くないものかが述べられており、不倫を防止する大切が理解できる。
 著者は結論として不倫をなくすためには婚外セックスを条件付きで社会的に受容せよと述べている。婚外セックスは不倫に含まれてしまうのではないかと思ってしまう。しかし、著者が言いたいのは後ろめたさや後悔・罪悪感が残ってしまうものではなく、婚外セックスをすることで夫婦間での不満を解消し、よりよい夫婦の関係性になることができるというものだ。今まで不倫問題の解決策として、夫婦間で話し合い不満をなくすことなどがあげられていた。しかし、そのような方法では現実問題として不倫をなくすことは不可能に近い。南アフリカ共和国では人口の12%がHIVに感染している。それなのに不倫や浮気によるパートナー以外とのセックスに乗り出す人が大勢いる。つまり、エイズでも不倫を止めることができないのだ。恐ろしい性病があっても止められない不倫を話し合いだけで解決しよういうのは無理があるといえる。だからこそ、婚外セックスの受容のような解決策が必要になってくる。
 このように著者は世間では受け入れられないような解決策を提案しているが、著者が最も伝えたいことは、不倫という社会問題に対して話し合いなどのきれいごとではなく、問題に対して正面からぶつかっていくような姿勢が重要ということである。誰もが逃げたくなるような問題だからこそNPO団体などが率先して取り組んでいき社会における性との向き合い方を見直す必要があると言える。(832字)
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c119095a佐々木祐亮さん (80bpy15h)2021/7/30 14:13 (No.239110)削除
「ボランティア」と企業の関係--金子郁容「ボランティア〜もうひとつの情報社会〜」(岩波新書 1992年)
初めにボランティアは、自由意志という意味を表すラテン語を語源としている。ボランティアは、困っている人を助けるものであると思う人が多いと感じるがこの本の著者は、逆に自分を助ける自分のためのボランティアではないかと言っている。このことから自分は、ボランティアとは、相手を助けるためのものでもあるが、自分のためでもあると感じた。
企業の社会貢献は、情報の織りなす多様性としての企業は、経済以外の分野を含む社会の多様なネットワークをつくり、動的情報が発生するさまざまな現場位に立ち会うひつようがある。このような具体的な機会をもたらすという点で、ボランティアや社会貢献が企業の成長には必要であると考えた。個々の企業でも、社会貢献活動の取り組みを充実させるための新たな制度を作ったり、活動方針を取りまとめそれらを企業内外に提示するところが増えている。この社内外に活動方針などを伝える理由として、この会社がどのようなことを行い社会にどのような影響を与えるのかを知り、企業の評価をあげることができ、評価が上昇することにより、融資が受けやすくなる。このことは、企業をより拡大させやすく、経営の選択肢もたくさんある状態になるのではないかと考えたからである。企業がボランティアに取り組む動機として、企業のイメージ向上や一時的な流行りがあると考える。社会貢献やボランティアを企業の本質として認識し本腰を入れて取り組み始めている企業も多く出てきている。
このことから、ボランティアは、企業にとって企業の評価の向上や企業の拡大を目指すために必要なことであると感じた。ボランティアに興味を持った人は、インターネットやパンフレットなどのいくらでもある情報の中から、ボランティアグループを見つけ、自分で連絡するということが大切であると考えた。
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c1201316 佐藤優太郎さん (80ay40rw)2021/7/30 01:14 (No.238935)削除
「普通の人」とは――小早川明子『ストーカー 「普通の人」がなぜ豹変するのか』(中公新書ラクレ、2017年)

 この本の著者はNPO法人「ヒューマニティ」の理事長を務め、ストーカー問題、DVなどのあらゆるハラスメント問題にかかわっている小早川明子さんである。
 小早川さんが理事長を務めるNPO法人「ヒューマニティ」は、ストーカーやDV、いじめやパワハラ・セクハラなどの対人トラブルへの対応を行っている団体である。具体的には相談を求めてきた人にヒアリングなどを行い、どのようなトラブルが起きたのかを整理し、その問題をどのように解決を図ればよいのかのアドバイスをするなどしてそのような問題の解決を図っている。場合によってはストーカーの被害者、加害者の両名にカウンセリングやセラピーによる介入を行ったりもしている。
 筆者の目的はストーカーとして再犯する人を減らし、加害者を無害化することでストーカー被害者の安全を確保することにある。本来であれば、実被害が出る前にカウンセリングを受けさせるなどして、ストーカーになる人自体を減らすことができればそれに越したことはないのだが、現在の司法では事件が起きないと対応することができないという不完全さがあるために現在はそれを行うことができない。そのため、対処療法にはなるがこのような活動を行っているようだ。
 具体的な本の内容としては実際に起きた事件や実際に筆者が関わってきたストーカー被害の具体例を挙げつつ、ヒアリングやカウンセリングなどを通しての実体験を通しての著者の考えや加害者がどのような思考の上でそのようなことをしたのか、SNSが普及したことによる新しいタイプのストーカーについてなどが述べられている。
 小早川さんは、この問題に取り組み続ける理由として、第三者が被害者と加害者の間に立ち、両者の仲介を行うことによって被害者と加害者の両名の負担を軽減することができるためだと話している。
 今回この本を読んでみて、SNSが普及し、他人との距離が不自然に縮まった現代を生きる私たちだからこそ読むべき本の一つだと思った。(805字)
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C1190179 池田瑞姫さん (80apiocf)2021/7/29 21:13 (No.238813)削除
貧困の現状とこれから――大西連『すぐそばにある「貧困」』(株式会社ポプラ社、2015年9月8日 第1刷発行)

この本は、高校卒業後やりたいことが見つからずフリーターとして生活していた大西連さんがホームレスの方々に出会い日本の貧困の現状と実態を知り、様々なことを経験して学びながら、貧困で悩む数多くの老若男女の助けになる活動を行っていく話である。今、大西さんは、認定NPO法人自立サポートセンター・もやい理事長、新宿ごはんプラス共同代表として活躍している。
NPOの支援団体の活動としては、炊き出し・夜回り・相談会・申請同行などが行われている。炊き出しでは、300人以上のホームレスに30名ほどのボランティアで800食分のカレーを作ることもあり、中には私たちがイメージするようなホームレスの他に、女性やセクシャルマイノリティの方、車いすの方、見た目ではホームレスに見えない方もいる。夜回りでは、様々な所にいるホームレスの方達に声をかけ、最近の状態と不安や悩みの相談を受ける。日常会話が少ない方も多いため、この夜回りでコミュニケーションをとる。相談会では、怪我や病気の治療の相談や生活保護の受給のために申請同行を求める相談がある。しかし、区役所で生活保護の申請が通ったからといって、必ずしも快適な生活が送れるわけではない。タコ部屋で南京虫が湧くような施設も多くある。そのような施設へ送られないように、申請同行をしてより良い生活が送れるように交渉することも支援団体の仕事の一つである。NPOの支援団体の方々は、申請の際に区役所側が違法な運用をしないように一緒に同行することでホームレスの方々を救っている。ホームレスの方々は私たちのように安易にインターネットを使って情報を得ることが出来ないため、不利な方へ言い回されてしまうことがある。このようにNPOの支援団体は弱い立場にある方々を助ける仕事を主にしている。
普段普通に不自由なく生活ができていれば知ることの無いホームレスの現状。それを知ることで、知らなかった法の知識も増え、日本の貧困の問題についても知れた。若い人でもホームレス予備軍と言われるほど、私たちにも身近なものである。自分の生活について改めて考え直せる貴重な体験ができた。(870字)
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c1192468 山﨑拓斗さん (80als61a)2021/7/29 19:29 (No.238746)
不登校って駄目なんですか?--奥地圭子『不登校という生き方』(NHKブックス、2005)

 この本の著者である奥地圭子さんは1985年に退職後、「東京シューレ」というフリースクールを開設し登校拒否をしている子どもたちの1つの居場所づくりを行った。現在では、NPO法人東京シューレの理事長として登校拒否の子供たちと向き合っている。NPO法人東京シューレでは、「誰もが安心していられる居場所であること。」「やりたいことをどうしたらやれるかをいっしょに考え、実現を応援する。」「子ども個人の自己決定を尊重する。」「子どもの場は子供が中心であり、大人は共に考え、一緒に必要なことを行う。」「みんな違ってそれでいい(個の尊重)」この5つを方針としており、現在では3か所のフリースクールに小学1年生から20歳まで約200人近くの子供達が通っている。
 この本の中で奥地圭子さんは「不登校」の在り方について語っている。学校信仰の考えを持っている方々に今一度お聞きしたい。「不登校って駄目なことなんですか?」親にとって「よかれ」と思って登校をすすめたり、医者を連れまわしたりするのではなく、「子どもの気持ちこそ大事」という対応が基本となってくるのではないか。このようなことが頭ではわかっていたとしても、現在の不憫さや将来の不安、親自身の世間体の様々なこと柄が絡んでくる。「一生懸命子育てしてきたのに」という思いや「周りからはダメ親とみられるのではないか」、「こんな自分の気持ちを分かってくれる人なんていないのでは」と自分を追い詰めて考えてしまう親も多いのではないのだろうか。しかし、奥地さんは「大丈夫。気持ちを分かってくれる人は着実にいます。」と語っている。「親の会という不登校を経験した他の親達がいるため、安心して相談や事情を話すことが出来る」と話している。
 本書には、上記以外にもやNPO法人東京シューレがどのように不登校について学校や行政と戦ってきたのかや子供達の教育、将来の多様性を広げてきたかが綴られている。是非大学生の皆さんを始めとした多くの大人に読んでいただきたい本である。 (860字)
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