NPO・NGOの現場からうまれた文献のbook review

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c1181039 櫻井雄太さん (80golk95)2021/8/3 23:31 (No.242442)
「子どもを守るために出来ること」(大谷尚子、白石草、吉田由布子 『3.11後の子どもと健康』岩波書店 2017)2011年3月11日の東日本大震災後の子ども達を放射線被曝から守りたいと考える三人の著者が、子ども達が被爆しないようにするために地域で暮らす住民や学校の関係者は何をしたら正解を導く事が出来るのかについて述べた一冊である。福島原発事故が起こった際にチェルノブイリ原発事故により健康被害を受け、子どもをはじめとし若い世代への被害が大きかったという事例があり子ども達の健康を守るに当たって、1章では養護教論の松田さんがリアルな現状を把握するために学校の放射能の測定をしたいと考え、子ども達と一緒に測定した。だが、放射線は体に良くないモノであり子どもに近づけないように測定を行なった。更に研修会を行ない「深めあい」を通して、災害時の心のケアや放射能問題をテーマとして多く開催し困っている人や不安な人の立場に寄り添い理解を深めた。更なる課題に向けて地域行政や地域住民との協働、学校の環境整備に目標とされた。2章では、甲状腺検査の実施を目指して政府に頼ることが出来ないと考えた関東ネットは政府に度々交渉を行なうも手応えがなく、頼れるのは地域の仲間や自治体だと気づく。千葉県内の9つの市は国の責任による甲状腺検査の実施を復興庁や環境省に要請したが叶わず、独自の財源と判断で2014年に開始し、徐々に検査が始まる。政府は自分たちの責任を免れることを優先し、人の命に関わる事は関心が薄いという事に対して私は悲しくなりました。3章では、福島原発事故により広範囲に放射能汚染が広がり、その真相を低く見積もる政府や専門家に対して学校と地域が出来ることを明確にしようとする。子どもが安心して過ごせるには事実を知っている大人の役割であり、養護教論の役割を地域の方々や保護者に理解してもらう事で連携を図った。ここでは、養護教論の立場として専門家等の言葉に対してどのように考えるべきか事例が挙げられている。この本の振り返り、当事者が真実であることがわかりました。(868字)
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C1202095 早坂玲子さん (80hyy0qn)2021/8/3 23:12 (No.242418)削除
ストーカーの心理――小早川明子『ストーカー「普通の人」がなぜ豹変するのか』(中公新書ラクレ、2017年)

ごく普通の人と思っていた恋人や友人が、いつの間にかストーカーになり、自分の人生を脅かす。それは誰にでも起こりうることなのだ。この本では、マスメディアで大きく報じられた凶悪な事件から、著者の小早川さん自身が関わった相談まで、ストーカーに関する様々な事例を取り上げている。
 事例を取り上げたあとにストーカーの定義や分類が記載されている。ストーカーには5つの種類がある。まず一つは拒絶型。動機は、崩壊した関係の再構築で、その願いが叶わなければ復習に向かう。殺人に至り世間を騒がせるストーカーの圧倒的多数がこの類型だ。もう一つは憎悪型。自分が他者から何らかの被害を受けたと感じ、復讐としてストーカー行為を行う。被害者を恐怖に陥れ、支配感と征服感を得ることができるため、その行為をやめなくなる。もう一つは親しくなりたい型。個人的な関係もないのに相手に恋愛感情を持ち、自分と特別な関係があるはずだと思い込み、一定の満足感を持ちながらさらに親しくなろうとするストーカーだ。もう一つは相手にされない求愛型。見知らぬ人か知人に対して一時的でもよいので会いたい、性関係を持ちたいという願望を持ち、被害者の痛みには関係なくつきまとう。つきまとう行為自体に固執することもある。最後に、略奪型。男性から女性に対して行われるもので、常軌を逸した性癖と興味を背景に、窃視などをし、支配感と征服感を楽しむ。
 筆者はNPO法人「ヒューマニティ」の理事長で、上記のような人と向き合い、カウンセリングを行っている。ストーカー問題、DVなどあらゆるハラスメント相談に対処している。筆者が被害者と加害者の間に、第三者として介入することで被害者と加害者の負担を軽減することができると話している。
 この本を読むと加害者には加害者なりの苦悩があることや、犯行に至るまでの背景があることが理解できる。しかしながら、犯行に及んでしまうのは絶対にしてはいけないことなので、筆者の小早川さんが本の中で言っていたように再犯防止よりも初犯防止が理想的だと考えた。適した措置をとることが加害者を変える鍵となる。
(868字)
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C1202267三ヶ田珠美子さん (80hypxr9)2021/8/3 23:05 (No.242411)削除
「都市と地方を食でつなぐ」
(高橋博之『都市と地方をかきまぜる「食べる通信」の奇跡』光文社新書、2016年)
C1202267 三ヶ田珠美子

本書は、「東北食べる通信」を立ち上げるまでの経緯と、食や、地方と都市についての考えを様々な人の言葉を引用しながらユニークな見出しから語られているものである。
 著書である高橋さんは、岩手県石巻市で生まれ育ち、東京の大学に進学。のちに石巻市に戻ってくるが、その特に東日本大震災を経験。当時岩手県議会議員2期目だった高橋さんは、懸命に生きる被災者を見て新しいまちづくりをしたいと岩手県知事選挙に出馬。結果は現職に大敗したが、現場で手足を動かして取り組もうと事業家に転身し、「東北食べる通信」を立ち上げた。
 「東北食べる通信」は、私たちが1日3回も関わり、生きるためには必ず関わる「食」という分野を通して、生きる実感や人との関わりが希薄な都市に生きる消費者と、地方の生産者を情報とコミュニケーションでつなごうという目的で作られた。詳細としては、大型冊子に、取材をした生産者の姿や作物の歴史などを物語として綴り、紹介し、その付録として生産者がつくった食材をプラスし、注文者に届けるというもの。読者(注文者)の声はSNSを通じて生産者に届き、生産者も読者の声に返答することができる仕組みとなっている。この仕組みは、食材を買う際の食べ物とお金という何にでも交換可能なものから、食べる人とつくる人という交換不可能な関係を生み出す。スタッフは2人のみという創業1年目であった彼らのNPO団体は、食べる人とつくる人の関係性のデザインが評価され、2014年のグッドデザイン賞では金賞を受賞した。
 また、「東北食べる通信」は生産者の作ったものを顔の見える形で販売することで、外国産の価格の安いものばかりを求める消費者の意識を変え、生産者のモチベーションの低下を防ぐことや、地方の関係人口を増やすことにもつながっている。東日本大震災の際、ボランティアとして訪れた都市住民は都市の生きづらさから離れ、地方の豊かさに触れることで逆に支援をされていた。これを緊急時だけでなく平常時にも地方と都市で関わり合いを持つことで、地方創生としての地方の関係人口増加につながることが期待されている。
(867字)
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c1180241 石川 中和さん (80hx5okn)2021/8/3 22:26 (No.242368)削除
ひとり親家庭===赤石 千衣子
発行所 岩波書店
2014年4月18日

 日本社会において、ひとり親であるとはどのような状況なのか。なぜこうも生きづらいのかを書いています。一人で戦う親たちの苦境を打開するために必要なことは何か、このままこの社会状況が続けば、今後の日本はどうなるの。当事者に寄り添いつづけてきた著者赤石千衣子さんは、自身もシングルマザーであるため、現状の課題を整理し、ひとりで子どもを育てるられる社会構築、そして人々の生活を豊かにする道筋を考え述べています。自身の経験を踏まえているため、とても説得力があります。
 日本の約35%の母子世帯が年収100万円から200万円で暮らしている。正規職員のシングルマザーの平均年間就労収入が270万円であるのに対し、非正規の場合は125万円(2011年全国母子世帯等調査)。ひとり親家庭のシングルマザーとその子どもの置かれている状況はかくも厳しいものがあります。ひとり親家庭に「“あるべき家族像”から逸脱した例外的な存在である」という見方をすることは、貧困家庭の子どもたちを社会全体がひとり親家庭の現状をまず理解することから始まるべきだと思った。
 ひとり親世帯の半分以上が相対的貧困世帯である。この本では苦境に立たされるひとり親家庭をスポットを当て、その具体的な支援策まで言及しているが、現実には全然足りていないことを改めて実感しました。
 シングルマザーだけでなくシングルファーザーの現状、女性の貧困、子供達の問題を豊富な例をあげながらそれだけで終わらずに、ひとり親支援策と求められる支援策を上げられており、政府が行っている対策では間に合っていないことがわかります。
 コロナ禍である今、所得が少ない人を対象に1人当たり10万円の追加給付を検討する考えを示したが、現実はとても足りていないことが、この本を通してわかった。貧富の差はこれからどのように改善していくのかとても気になりました。 787文字
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C1201730 田中歩さん (80hx9xw7)2021/8/3 22:25 (No.242365)削除
「子どもの政治参加」
林大介『「18歳選挙権」で社会はどう変わるか』(集英社、2016年)

 2016年6月19日から18歳選挙権の制度がスタートした。大人たちからは18歳で政治が理解できるのか、判断力があるのかといった声があがる。本書は18歳選挙権の導入に至る経緯・問題点や18歳選挙権制度が社会にどのような影響をもたらすのか、そして若者の政治参加への展望について林大介氏が解説、提言したものである。
 18歳から選挙権が与えられたことで政治教育や主権者教育が注目されている。これまで教育現場では選挙や政治の仕組みを教えるだけで、政策の中身や実際に起こっている憲法改正などの問題については軽く説明する程度にとどめており、討論を通して政治的な判断力を培うような授業を避けてきた。しかし、2015年に文科省が出した「新通知」には「高等学校等の生徒が、国家・社会の形成に主体的に参画していくことがより一層期待される」という見解が示されており、これによりディベートや模擬選挙、模擬議会等のプログラムを通して政治的教養を深める政治教育に変化してきている。
 また、筆者である林大介氏は特に模擬選挙に力を入れている。教育の政治的中立性への懸念からか実際の選挙にあわせた模擬選挙の実施を躊躇う学校や自治体が多くあった。そうしたなかでNPO法人「Rights」は2002年に行われた町田市長選挙を皮切りに模擬選挙の実施を呼びかけた。その取り組みがメディアで取り上げられ、学校においても選挙を題材にした授業に取り組みやすくなったという背景がある。そして、模擬選挙をより公正・中立・公平に行うためにNPO法人「Rights」から模擬選挙事業を切り離し、筆者である林大介氏が事務局長を務める「模擬選挙推進ネットワーク」が設立された。
 2000年代に入ると学生と国会議員を結びつける取り組みを行うNPO法人が次々と立ち上がった。20代の投票率向上を目指す学生団体も生まれ、高校生や大学生といった18歳選挙権の当事者が中心となって活動を始めている。18歳から選挙権が与えられたことで今後の政治や社会はどう変わっていくのか、若者の政治参加が持つ可能性を感じられる一冊である。(872文字)
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Ⅽ1180169 五十嵐一樹さん (80hx92wz)2021/8/3 22:24 (No.242364)削除
廃棄される食品が救けに 大原悦子『フードバンクという挑戦 貧困と飽食のあいだで』(岩波書店、2008年)

 飽食の国日本では年間約2000万トンの食品が廃棄されている。たべることが出来なくなった食品だけが廃棄されているのではなく、ラベルの表示ミス、商品の管理の簡略化のため、といった食品の品質とは関係のない理由で商品にならないものが多い。このようなまだ食べることが出来る食品、とくに可食期間のある賞味期限切れの物を企業から集め、困っている人々に再分配する取り組みがフードバンクである。
 フードバンクの仕組みは1967年アメリカで始まった。アメリカでは貧富の差が激しく、満足な食事をとることが困難な人が多くいる。しかし、企業から集める食品だけでは十分な量を確保できず一部は購入している。こうした活動の多くはボランティアによって支えられている。貧困にあえぐ人々が生きていけるように、「サンキュー」の言葉を対価に協力しながら活動を続けている。
 後に日本でフードバンク活動を行うNPO法人「セカンドハーベスト・ジャパン」の理事長を務めるチャイルズさんは、少年時代を大人数で過ごす。そのためいつも空腹であった。高校を卒業後、海軍に入隊。そこで日本を訪れたことをきっかけに海軍を除隊。ミネソタ大学の交換留学生として東京のドヤ街の中にある修道院に移り住む。そこで暮らす人々と関わることで「ボランティアを押し付ける」のではなく、真に何かしたいと考えた。「今」食べ物を求めている人を救うため、2002年3月に日本で初めてのフードバンク組織を作った。
 日本では依然として大量の食品が廃棄されている。しかし廃棄する前に「もったいない、どうにかできないか」と考えることで、その食品が本当に欲しい人に行き渡っていく。まだまだ発展途上の取り組みではあるが、一歩一歩の歩みが貧困に喘ぐ人々の助けになっている。 (735文字)
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C1180181_五十嵐拓哉さん (80hwtbh0)2021/8/3 22:12 (No.242353)削除
NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク『子ども食堂をつくろう!人がつながる地域の居場所づくり』(明石書店、2016)

 WAKUWAKUネットワークはその名の通りヒトとヒトを、ヒトと地域を多面的につなげる活動をしているNPO法人です。活動は不登校の居場所づくりから始まり、フリースペース、ワークショップ、子ども食堂、夜の児童館など多岐にわたります。
 団体の理事長である栗木知恵子さんのおせっかいから始まった活動、そしてそこからつながるヒトとのつながりで大きくなっていく活動を協力者の視点から迫っていきます。
 WAKUWAKUネットワークは栗田さんが近所にすむT君に勉強を教えたのがきっかけでした。志望校に行けないかもと悩んでいたT君におせっかいで踏み込んだことがはじまりです。勉強を近所の大学生と協力して教え食事も一緒にとります。そしてT君の受験成功報告シンポジウムをきっかけに「地域の子どもを地域で支えるために、ゆるくつながる」との声からWAKUWAKUネットワークが結成されました。
 もちろん活動は地域の協力があって行われていて、子ども食堂の場所を近くの食堂だけでなくお寺から施設を借りて行っています。他にも児童館の閉まったあと夜まで一緒に勉強や夕飯を食べる“夜の”児童館もお寺を利用しています。
 誰かの問題を地域の協力で解決していく、これがWAKUWAKUネットワークの持つ強みだと思います。
 WAKUWAKUネットワークの活動はそれだけでなく、テレビ取材をきっかけに様々なところから取材と見学が押し寄せ、それをきっかけに子ども食堂の始め方や他の活動の公園などを行っています。活動を自分たちの地域で終わらせるのではなく、どこにでも潜んでいる問題の為に仲間を作る活動をしています。
 WAKUWAKUネットワークへは本当に地域に根付いていてヒトの人的協力だけでなく、施設提供や子ども食堂の食材提供など協力したい人が思い思いに力を貸してくれる。そんな地域ネットワークの基盤を全国に伝え、その心は様々な地域で根付いている。
(750文字)
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C1200127 阿部武宣さん (80hwp88b)2021/8/3 22:09 (No.242345)
「アイドル業界の苦悩」
坂倉昇平 『AKB48とブラック企業』(株式会社イーストプレス、2014年)
 この本の著者は坂倉昇平さんで、若者の労働問題に取り組むNPO法人POSEEの立ち上げに関わっている。また、ブラック企業問題にいち早く警鐘を鳴らしてきた人物でもある。
この本の内容は、有名アイドルグループであるAKB48の仕事内容がブラック企業であると主張している内容となっている。実際に読み進めていくと納得できる点が多かった。特にアイドルの一日の生活内容である。アイドルは24時間休みがないということが印象に残った。本業であるライブでの疲労をはじめ、バラエティ番組への出演、ブログの更新、練習を考えると一般企業で働く職員よりも労働していることが分かる。また、それらを踏まえると、選抜チームの存在もブラック企業を彷彿とさせるものであると考える。このような生活環境の中、更に他のメンバーより努力しなければ選抜チームに入れないかもしれない。このような遠回しの脅しのような運営がブラック企業と筆者が呼ぶ理由であると思う。
 ファンからの目線も圧力になっているという内容も衝撃的だった。AKB48はその人気に比例するように、ファンも大勢存在している。そのため、握手会では長時間にわたって大勢のファンと握手を行わなければならない。その握手に対しても、ファンを満足させられなければインターネットで叩かれてしまう恐れもあるため、一人一人と丁寧に握手をしているそうだ。また、恋愛禁止令がAKB48の中には存在しており、年頃の女性が好きな人も作ることができないのが現状である。このように、第二の監督のようにファンからの目線も気にして生活していかなければならないため、一日の生活のほとんどがアイドルという職業に縛られてしまう。つまりは家に帰っても仕事を継続して行っていく必要があるということである。
 この本を読み、改めて、ファンに元気を与えてくれるアイドルを尊敬するようになった。中には私と年が変わらない女性が大勢のファンのために体を張っている姿を想像すると、より一層応援したいと感じるようになった。今後も一人のファンとして活躍を応援していきたい。(841字)
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C1202037 芳賀大翔さん (80hvnz0d)2021/8/3 21:40 (No.242229)
「ストーカー被害を減らすためには」
小早川明子:「ストーカー」は何を考えているか(新潮社、2014年)
 この本の著者は、NPO法人「ヒューマニティ」理事長の小早川明子氏である。小早川氏は、自身もストーカー被害にあったことをきっかけに活動を開始して以来、数百人のストーキング加害者と被害者に対してカウンセリング等を行い、ストーカー被害を少しでも減らせるように活動をしてきた。
 カウンセリングは、先入観に囚われず、相手の言葉通りに話を聞くことから始まる。被害者と加害者双方の苦しみを理解することで、責任能力が回復し、受け入れ難い現実を受け入れられるようになるのである。その後は、相手が理解できるように嚙み砕いて説明をしていき、納得できない点は検証を繰り返しながら少しずつ常識を受け入れさせていく。小早川氏は、カウンセリングを終えた後でも、加害者が「自分はもう大丈夫」だと思えるようになるまでは関わりを断つことはしないという。
ストーカー問題の真の解決とは、「加害者が加害行為を止め、相手との問題から離れ、自らの持つ根源的な動機や病態に気付き、それらから解放され、新たな方向に歩き出すこと」であると小早川氏は語る。加害者は自身の不幸を相手のせいにすることが多いが、自身の心の中にも不幸の原因があるということを気付かせることが重要なのである。
最後に、ストーカーによる殺人事件を防ぐためには、被害者、加害者の両者の声に耳を傾けることが重要である。現在、ストーカー被害者への対応は全て警察が行っている。しかし、ストーカー被害の危険性を警察だけで正確に見抜くことは難しい。そのため、被害者への対応は警察のみでなく、信頼できる専門家にも任せるべきであると小早川氏は語る。経験のある専門家は全体像を見渡すことができ、最悪のケースを想定しながらより具体的に被害者の安全確保をサポートすることができ、警察への依頼の仕方も熟知しているのである。一方で加害者への対応は、犯行に及ぶ前に介入することが鉄則である。カウンセラーが加害者に感情を吐き出させながら常識を飲み込ませていきストーカー行為を止める決断をするまで支えることが必要である。(849字)
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C1191374 菅井健留さん (80hp9qsm)2021/8/3 18:42 (No.242075)
NPONGO論 最終課題②
「ブラック企業への対抗策」
C1191374 菅井健留

「ブラック企業 日本を食い潰す妖怪」
出版社・・・文藝春秋
出版年・・・2012年



この本は「ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪」というタイトルで著者の今野晴貴氏は1983年宮城生まれで2006年、中央大学法学部在籍中に、都内の大学生・若手社会人を中心にNPO法人POSSEを設立。POSSEの代表を務め、年間数百件の労働相談を受けている。この本では今日の日本で蔓延る違法な労働の決まりを設けて若者を苦しめる「ブラック企業」の現状とこれからの対策について論じている。実態としてブラック企業というのは国の労働のルールを破っていて異常とも言える残業時間で特に新卒の若い労働者を、精神的にも、身体的にも追い込み、ひどいケースだと自殺にまで追い込む。また新卒の労働者たちは就活の荒波を乗り越えてきたにも関わらず、入社後も「新人研修」「選抜」「試験」などさまざまな名目を付けて、選んで切り捨てる。そして、また選ばれた若者に無謀な条件で働かせる。つまりは切り捨てで大量に採用し、大量に切り捨てることで、安定して働くことが出来ない環境ができあがってしまっている。「負のスパイラル」から抜け出せなくなっているのである。そしてこの問題への対抗策として、まず「自分が悪いというマインドから抜け出すこと」「会社の指示や言うことには、疑問をもって取り組むこと」「簡単に諦めずに戦うこと」「労働法、つまり法律の観点から労働を見直すということ」「最終的には、専門家を活用して、真っ向から戦うこと」が挙げられていた。そして専門家と交渉したうえでその先は個人的に交渉、行政を交えて交渉、労働組合に加入して交渉、そして本当の最後の手段として裁判に訴えるという流れであった。徹底的に悪と戦う姿勢が強調されていた。またこの若者を潰すブラック企業の問題はこの国の医療崩壊も促す恐れがあるからこそ、情報を徹底的に集めて徹底的な対策が私たちに求められる。(746字)
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