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C1201279 佐藤瑞希さん (80h90ff1)2021/8/3 11:06 (No.241664)金子郁容 「ボランティア もうひとつの情報社会」 岩波新書 2000年
著者である金子郁容さんは東京都に生まれ、1971年に慶応義塾大学工学部卒業その後、スタンフォード大学Ph.D.(工学博士号)所得、ウェスコンシン大学準教授、一橋大学教授を経て現在、慶応義塾大学教授専攻分野は情報論,ネットワーク論,非営利組織論を扱っている。また、「ネットワーキングへの招待」(中央公論)、「ネットワーク組織論」(共著,岩波新書)、「空飛ぶフランスパン」(筑摩書房)、「<不確実性と情報>入門」(岩波新書)などあらゆる本を出している。また、今回の「ボランティア もうひとつの情報社会」では世界的な貧困問題、ホームレスなどの社会的身分格差、環境問題、経済情報といった社会的問題全般に関してボランティアを通して扱っている。
本文の内容を具体的に説明するため、2人の人物を挙げて説明する。まず初めにモートン・ウィバー氏についてだ。モートン氏はアメリカの飢餓を救ったボランティアだ。モートン氏は飢餓で苦しむ人々を救った功績を次のように表している。「偶然と二年間の経緯の現れ」。その後もモートン氏は76歳。本業の傍らボランティアとして活動を続けた。このことから年齢は関係なく手助けをしようという思いこそがボランティアの力を拡大していくものだとわかる。二人目はフランク・フェレル氏だ。フランク氏は「トレバース・キャンペーン」というホームレスの人たちのための緊急避難場所、また保育所や職業訓練を扱った取り組みをしている。この経験からフランク氏は「与えているよりも沢山のものを受け取っている。経験は切り離された人々の間に繋がりをもたらす」と言っている。ボランティアはただ手助けをしているだけではなくその経験から新たな発見や改善を生み出していくことが出来るのである。これらのことから、NPO・NGOの問題への取り組みというものは問題を他人事として捉えるのではなく切実な思いを持って行動することが重要であり、世界共通の人々に馴染みやすい印象を与えて取り組んでいることを意識して問題解決を図っている。(832字)