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C1200759 菊地一帆さん (8ey7625n)2022/8/3 01:06 (No.493364)削除不倫ワクチンの結論 ――坂爪真吾『はじめての不倫学 「社会問題」として考える』(光文社新書、2015年)
本書では不倫を「感染症」として扱っている。著名な人物ですら不倫を制御できなかったことを根拠に、我々一般人にとって不倫は抗いがたい欲求であると主張している。自分好みの人の虜になってしまうことは誰にも予期できないため、インフルエンザに罹ることと同様に、避けることは困難だ。一夫一妻制で「婚姻相手以外を愛してはいけない」と社会のルールで定められている状況下で行う不倫は非常に蠱惑的である。一度溺れればその人の周りが大きく傷ついてしまうことだろう。よって、不倫が実現してしまう前に予防を行う必要が出てくる。
一般的に不倫欲求解消として挙げられるものに「性風俗店」がある。確かに性欲を満たすことは出来るだろう。しかし、「性交欲」を満たすことは不可能である。不倫は夫婦仲の悪化、もしくは順調な結婚生活による自身のキャパシティ拡大によって発生するものであるため、金銭で買った関係では不倫欲を解消することは出来ない。性交欲の解決には心と心が通ったセックスが必要になる。これが不倫ワクチンの元となる。もちろん、家族同士で話し合うといった穏便な方法はワクチンになりえない。それで解決するのであれば不倫が現在まで問題になることはないのだから。
世間一般で用いられているワクチンは病原体を無害化したものである。不倫ワクチンをそれと同様に考えるのであれば、「社会的に認められた婚外セックス」がワクチンとなるだろう。婚外セックスという本来避けるべき手段が提唱されている理由として、本書では2つ挙げられている。1つは、性交欲を解消するためには疑似的不倫体験が不可欠になるからである。不倫によって発生する家族内被害を最小限にするための手段が、社会が需要可能な条件をつけた婚外セックスなのである。
もう1つは、婚外セックスの広がりでより良い手段が考案されることがあり得ることだ。婚外セックス以外に現状不倫を防止する手段は見つからないが、婚外セックスは行為後に深い寂しさを産むことがある。婚外セックスにも救いはないのだ。だが、そのような絶望的状況だからこそ効果的な不倫ワクチンが考案されるはずである。(879文字)
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