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C1211622 田代朱音さん (8ezcgrzd)2022/8/3 20:18 (No.494285)削除湯浅誠『ヒーローを待っていても世界は変わらない』(朝日文庫,2015)
ヒーローを待っていても世界は変わらない。この本のタイトルを見たとき、フィクションではないこの現実世界でヒーローを待つとは何事?いわいる悪の存在がいなければ、悪に立ち向かう皆を守るヒーローもいない。ならば、この本でいうヒーローとは一体なんなのか気になり手に取った。
本の冒頭を読むとこの本で扱っている社会問題は、民主主義の問題を扱っているということだ。これも、最初に扱っていたのはホームレスの問題であり、貧困問題にいき、様々な問題や課題の解決に向かっている途中で民主主義という問題に行きついたようだ。
この本では日本の民主主義の現状とそこに表れている課題について述べられている。一番伝えたいメッセージは、民主主義とはめんどくさくて疲れるものだということだ。
人にはそれぞれ個人の考え方が様々存在する。多数派の意見もあれば少数派の意見も存在する。人が話し合いをしたときに、自分たちの意見だけを通そうとしても、意見が衝突し、合意形成に至ることは難しいのは容易に想像できる。いかに相手にも伝わるように話すか、聞く側も柔軟な思考や相手の意見も尊重し落ち着いて聞くことをしなければ、話し合いは難しい。寄り添い、妥協点や調整を行うことが必要になってくる。
誰かに任せきり、意見を言い放つだけ、民主主義にも様々な問題や課題ががあり、それを皆で自覚しなければならない、不完全なものであり、自分よがりな考え方では社会はうまくいかない、人は焦りや不安から、ヒーローを求むがばさばさ倒すだけの、切り捨てる系ヒーローは求めていない。課題があり、誰かにすがり解決していくのではなく、自分の意見や考えをもち自分たちで決めることが重要であり大切なことだと学んだ。私たちが主権者であり、同時にヒーローである。そしてできることをしていくとその積み重ねで社会がその分よくなることを学んだ。
読んで、今の政治や社会についての在り方、文句など普段の生活の中での考え方を少し変えたい。自分の中で軸は変えず、より柔軟に。自分の考え方などを見つめなおすきっかけにもなる。そんな本であった。(865)