NPO・NGOの現場からうまれた文献のbook review

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匿名さん (8ezkdg3u)2022/8/4 00:00 (No.494593)削除
『女子高生の裏社会
「関係性の貧困」に生きる少女たち』
仁藤夢乃 光文社新書 2014.8.20

 この本の筆者の仁藤さんは、中学生から高校生までの間、ギャルとして生活していた。高校は中退したが、ある講師との出会いを転機に大学に進学し、高校生に目を向けた活動を始めた。しかし、高校生へ向けた活動といっても普通の高校生に対してではなく、仁藤さんが話す「難民高校生」という家庭や学校に居場所を失ってしまった高校生のことを指す。仁藤さん自身が直接、貧困状態に陥ってしまった高校生を中心に実際に会って話を伺うという物語である。
 女子高生との対談を通して話は進んでいくが、この女子高生のなかに、JK産業というものがある。一つ目は生活が困窮している貧困層、二つ目は家庭や学校のなかで情緒不安定な面がある不安定層、そして三つ目は貧困や関係に不備がない生活安定層である。これらに当てはまる女子高生たちは、アルバイトと名乗り、リフレや散歩など、見るからに危ない裏社会のようなところでアルバイトをしている。その事業のオーナーからの信頼と女子高生たちからの信頼がお互い成り立ち、安全であると彼女らは認識しているという。大の大人である人間が、若い子たちを集め、危ない橋を渡らせ事業を展開するような現実がある。近年は、そういうJK産業のひとつの生活安定層の子たちもその事業に関わっていることもある。居場所を失ってしまった子たちは特にだが、おじさんたちとお散歩だったり、夜の街に一緒に出歩いたりしてしまっている。実際お金を稼ぐという意味でも少し危なくても手を出してしまう現状が彼女らにはある。性行為やそれに類似した行為などもそのJK産業に深く溶け込んでいるのだ。私たち大人がもっと面倒を見てあげるべきだ。721
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c1201322 佐藤隆太さん (8ezkdg3u)2022/8/4 00:06削除
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c1201434 庄司桃音さん (8eyor23i)2022/8/3 23:38 (No.494565)削除
「食」から考える地方創生ーー高橋博之『都市と地方をかきまぜる〜「食べる通信」の奇跡』(株式会社光文社、2016年)

 この本は、一人の元政治家の話から始まる。本書を手掛けた高橋さんは、元々岩手議会議員だったが、岩手県知事選挙での落選を経て政界を引退。そして、現在はNPO法人東北開墾の代表理事を務め、ビジネスモデルの1つである、「東北食べる通信」の編集長も務めている。
 高橋さん自身が都会と田舎を行き来することによって、田舎又は地方で叫ばれる社会問題とは別に、都会にも「檻」と言えるような内在化された暮らす上での問題があることに気がついた。東日本大震災を経験して、ボランティアなどを通して被災者と都市住民の連帯する姿から、普段の生活から解き放たれたような都市住民の姿を目にして、これを日常化したいと考えた高橋さんは、「食」とうい誰もが当たり前に必要な要素に目を向けた。作る田舎と食べる都会という繋がりが希薄化された現在において、その繋がりを再び示し、その生産の経緯や自然とのつながりを知ることで、消費者自身の生きる実感を取り戻そうと始めたのが「東北食べる通信」だった。
 よくスーパーであるような、生産者の顔つきの商品のように、段ボールに食材と生産者のバッグストーリーの分かるタブロイド誌を同封するというシンプルな活動でありながら、SNSを通じて消費者と生産者を繋いぐコミュニティを実際に作ることで、同じ食べ物を主題とした確かなコミュニティが形成されていった。この活動の中で、活動規模よりもコミュニティ作りに注力した事も成功の要因だと言える。適切な大きさの輪を作ることで、あえて繋がりやすい距離を保っていたのだ。 
 ITの発展により便利になると共に希薄化された生活の中に、距離的に今まで接点を持たなかった人同士の新たな繋がりを作ることで、本書タイトルのように都市と地方をかきまぜた、コミュニティを作れたのだと考える。(806字)
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C1210717 加藤大地さん (8eyor23i)2022/8/4 00:01削除
自分の投稿したのにも記載しましたが、こっちが違う方の名前で提出されてしまったものです。
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c1212047 村上里玖さん (8ezkdkeo)2022/8/4 00:00 (No.494594)削除
『ブラック企業2 「虐待型管理」の真相』 今野晴貴 (文春新書) 2015
著者は、2011年に『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』 (文春新書)を発行した。同書は大きな反響を呼び、世間に「ブラック企業」という言葉を定着させ、政府が対策を行うきっかけとなった。著者のおかげでブラック企業という言葉を聞いたことがない人はほとんどいない。長時間労働やパワーハラスメント、過労死、自殺これらは大きな社会問題として報道されている。しかし、ブラック企業の被害はいまだに拡大し続けている。
ブラック企業に入ってしまい、使いつぶされるまでやめることのない若者が後を絶たない。
これらは、月収を誇張し、虚偽の条件で社員を募集するブラック企業が多いため起きているのである。さらに、正社員ではないのに正社員として働かせられてしまうこともある。その後、これらを乗り越えて生き残ってしまった社員にはブラック企業から「使いつぶし」が始まってしまう。残業代を支払わない、異常な長時間労働、幹部や社長にして「使いつぶし」
職場崩壊、辞めさせない、うつになったらやめさせる。このようにして、新しい使いつぶせる社員を確保して馬車馬のように働かせているのである。
ブラック企業は日本社会を荒廃させる大きな社会問題であるが、行政はブラック企業を取り締まることができなかった。手順を踏んで叩けど、モグラたたきの労使交渉となってしまう。そしてどんどん国が他人事としてしまう。
これらに対して我々や、支援者が行える対策は法律よりもマインドを支え教えること、とりあえず記録を行う、専門家になるべく早く相談へ行く被害者の行動や言動のsignを見逃さないことである。後出しじゃんけんになってしまうが個人である我々ができることであれば力を合わせブラック企業に対抗することができる。(746文字)
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C1210077 阿部ななみさん (8ezkd9ez)2022/8/3 23:59 (No.494592)削除
貧困のあり方-- 湯浅誠『反貧困「すべり台社会」からの脱出』(岩波新書、2008年)

「すべり台社会」とは、すべり台のように滑り落ちてどん底に陥ること。また、流れるように貧困に陥ることである。
今までの貧困のなり方は、労働市場から排除されてしまった失業者が多かった。しかし、現状は働いているにもかかわらず生活ができないという相談が増えている。そして、世帯の種類が変化してきている現状である。
著者は、1995年より野宿者支援活動を行っている。現在は、反貧困ネットワーク事務局長、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長に勤めている。
NPO・NGOが貧困問題に対しての取り組みとして、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい。住所不定状態にある人たちへアパート入居時の連帯保証提供や生活困窮者に対する生活相談を行っている。
連帯保証人提供は、毎年200世帯の件数である。連帯保証人の申請者は、様々でDV被害を受けた人や精神障害者など。一番の多くが路上生活者でなくアパートも持たないネットカフェ難民である。
生活相談では、時代とともに問題の複雑化が進行しており解決が難しくなっている。前までは、路上生活を送った人やDVを受けた人が多かった。しかし、現在は貧困になる人が多様化しているように生活相談を受ける人が性別問わず家族家庭や働いている人までに拡大していっている。
人を保護できないことは、人権がないことを意味する。生を値踏みするものではないし、貧困があってならないのは、人権を侵害することが社会の弱体化の証明になると筆者がおっしゃっている。
本書において、誰に対しても人間らしい労働と生活を保障できる強い社会を目指すべきであることが重要視されている。現代において、貧困に陥るということが身近になってきている。全ての人が生活を保障できるために、NPO・NGOの活動もやいという行政が行う仕組みのような一歩踏み込んだ支援活動が必要だと思う。(756字)
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c1211869 福田羽菜さん (8ez7t5ny)2022/8/3 23:56 (No.494589)削除
田中弥生 『「NPO」幻想と現実 それは本当に人々を幸福にしているのだろうか?』
同友館(1999)
 この本はNPOがなぜ社会から必要とされているのか、活動を続ける上でのNPOの課題とは何なのかが記されている。ボランティアやNPO団体など、非営利の活動は、与える側と与えられる側のニーズの一致が何よりも大事であるが、そうではない場合もある。本の内容から例を挙げると、施設に慰問に訪れ、芸を披露するが、鑑賞者たちはあまりこの機会を望んでいない。慰問者たちは善意で行っているため、職員たちは断るに断れない。このような例のように善意でやっていることがじつは迷惑だと思われているボランティア・NPO活動が存在している。善意でやっていることはもちろん悪いことではない。しかし、筆者は「NPOが人々のためによかれと思っていることは実は幻想で、現実には、NPOが意図したこととは異なる結果を招いているかもしれないのである。実は、幻想と現実の間で揺れているNPOは少なくないのではないか。」と述べ、NPOが活動する上での課題として考えている。
 さらに、この本では、前述の例のようなミスマッチ問題について分析したことについても述べられている。非営利組織として活動しているため、活動資金の調達についての問題を取り上げている。また、「ボランティア元年」と呼ばれる阪神淡路大震災でのNPOの活動では、義援金、救援物資、ボランティア志願者に対して、役所が適切にさばききれず、それぞれのニーズに応えられないといった問題が発生した。NPO自体の認知度が低かったためでもあると考えられるが、もし、それらの少しでもNPOに向けられれば、有効に活用できていたのかもしれない。そうしたミスマッチを今後繰り返さないように、いかに防ぐのか、筆者のこれまでの経験と、調査、研究による経営学・経済学視点を中心に様々な視点からの、NPO団体のマネジメント方法について考えていく。(739)
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C1211817 畠中桃さん (8ezk7ukd)2022/8/3 23:55 (No.494588)削除
西野博之『居場所のちから 生きているだけですごいんだ』株式会社教育史料出版会、2006年
本書の著者である西野博之さんは、これまでにも、フリースクールや塾で不登校の子どもたちと関わってきたが、学校に通うことができなくなってしまい大人になることへ不安を感じてしまった男の子との出会いなどをきっかけに、1990年、行き場のない数人の子ども、若者たちと場づくりを始めることになった。居場所は、いつでも、誰でも気軽に訪れることができる場である。
 初めは、お金がなかったため部屋を借りることができず、街全体を学びの場として美術館や博物館、図書館や公園に出かけていくという移動型の場づくりが始まった。しかし、毎日集合場所が変わることで、子どもたちの緊張や不安、疲れが顕著に見えるようになってきたという問題点が見えてきた。「どこに行って、どんな体験をするかというよりも、誰といてどんなことを語り合うのかの方が、僕には大事」「自分のペースのままで、いつ行ってもそこに行けば誰かに会える、そんな自分たちの場がほしい」などの声が集まり、1991年、「たまりば」がオープンした。「たまりば」の基本方針は、カリキュラムやプログラムを一方的につくって与えるのではなく、子どもたちがありのままでいれるような方針になった。このようにカリキュラムやプログラムがないため、やってみたいことを思い浮かんだら、ミーティングに提案したり『たまげた通信』に「こんなことやってみたいんだけど、興味ある人この指とまれ」と呼びかける。この時に大事なのが、どの「この指とまれ」にも止まらない自由である。自分の提案を出さない、どの企画にも参加しないこともしっかり保障されることが大事なのだ。他者からの評価ばかり気にしていた子どもたちが、マイナスの評価を受けないというのが保障されており、この自由が気づきやひらめきに至ることがある。これは常識にとらわれないと言うことなのではないかと感じた。
 居場所では、なにかの活動に参加して少しでも前向きになることが目的だと思っていたが、ありのままの姿で、周りからの評価を受けない、常識にとらわれることなく過ごせることが大切なのだと感じた。(858字)
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C121212A柳田朋花さん (8ezg0vzt)2022/8/3 23:51 (No.494578)削除
仁藤夢乃 難民高校生絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル(ちくま文庫・2016年)
簡単に言うと筆者の仁藤夢乃は中学、高校生の時に渋谷を’’難民高校生’‘としてさまよった体験を基に、なぜ難民高校生になったのか、どのように変化していったのかが述べている本だ。同時に大人と子供との社会が分断されていること、そして子供たちが大人たちに搾取される現代の現状をリアルに描いている。
最初筆者は難民高校生として生きていた。難民高校生とは家庭や学校他のどこにも居場所がないと思っている人だ。筆者の周りには同じような難民高校生たちがいた。しかし筆者はもっと強くなりたい、変わりたいという気持ちからその子との連絡を切って高校を中退することにした。高校中退する間にも様々な葛藤があり、学校からも何回か止められたが、高等学校卒業程度認定試験を受けることを理由に高校をやめた。努力の末大学にまで進学をすることが出来た。ネパールで建築活動を行うHabitat for Humanityというサークル、農作業をする農園ゼミ、若者向けのフェアトレードファッションショーのハビ☆コレなどの活動を通して、大人たちと子供との社会を繋いでいくことが大切さを実感した。かかわりを強めることで大人が若者を理解するきっかけにもなるし、若者も視野を広げることが出来る。分断された社会を変えていくためにはお互い関わることが重要であることに気づくことが出来た。
最後に仁藤は10代のあなたが幸せになる3つのヒントとして、1環境のせいにしない強さ、2一歩踏み出す勇気、3自分の可能性を信じることだと述べた。うまくいかないことが多数あっても、勇気を出してチャレンジしてみることが大切だと知った。この3つの考え方は10代でなくともどの年代の方でも、人生を歩んでいく上で共通して求められる。
この本を読んで難民高校生は、今でいうトー横キッズという社会問題になっている集団と一緒だと感じた。現在も居場所がない子供たちは今もいる。現状を変えるためには本人が努力することをあきらめないことが求められる。本を通して誰しも人生を変えることは出来るというメッセージを受け取った。(863文字)
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C1202391 結城花恋さん (8ezk1s70)2022/8/3 23:50 (No.494577)削除
今野春貴『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』文春新書、2012年

この本を読んでブラック企業の概要や意義、について改めて理解した。ブラック企業は、被害の対象は主に正社員であり、正社員になったとしても安泰ではないということがブラック企業という言葉が鳴らした警鐘。リーマンショックを境に若年正社員の扱いに変化が生まれた。「使い捨て」と呼ぶにふさわしい扱いを受けるようになる。若者がブラック企業に破壊されるケースが急増している。そこでPOSEEを立ち上げ、労働相談活動や悲惨な事例に終わらせないための調査活動を行ってきた。若者側の主張は「告発」にとどまりがちであり、筆者は相談や告発だけではない問題提起を行い、ブラック企業問題を社会問題へと変えていく。ブラック企業にとって若者は資源に過ぎず、社会問題が非正規雇用問題から正社員をも含む若者雇用全体の問題へと移行した。人間破壊、大量採用・大量退職で生まれる選別や選抜等の行為が行われているとしった。ブラック企業は利益を最大化させるために若者を食いつぶしている。その大きな動機がいくつかに分類でき、選別、使い捨て、無秩序である。これによって、ブラック企業において若者は働き続けることができない。そこで、場合によっては精神疾患を患い、その後のキャリアまでは課されてしまう現状があるとしった。ブラック企業に入社した際には、やめるか争うかの選択を行う必要があるのだ。そのうえで必要なものが「戦略的思考」である。ブラック企業問題とは若者が使いつぶされるという問題であり、日本の将来を考える上できわめて深刻な問題である。若者の使いつぶし、コストの社会への転嫁、少子化等の問題がブラック企業によって引き起こされていると言っても過言ではなくなっている。使い潰しによって、将来が不安定になり、私生活の崩壊がおこり機会を奪われている。そして、自殺や生活困窮者にもつながってしまう。
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c1192681 海谷一彰さん (8ez6fx71)2022/8/3 23:42 (No.494571)削除
今野晴貴「生活保護知られざる恐怖の現場」2013年 筑摩書房
 著者の今野晴貴は1983年仙台市生まれでNPO法人のPOSSE代表である。これまで1500件を超える労働・生活相談に関わっており、現場の声を聞いている者である。その経験がこの著書に活きている。本書は通常の生活保護問題の解説とは異なる、より広い視座から、生活保護について客観的にとらえることを可能にしている。
 生活保護の問題には生活保護を取得する、生活保護受給者に対しての批判が大きな問題として取り上げられる。その発端には、高額所得者である芸能人の母親生活保護を受給していることにある。その結果NPO法人POSEEに寄せられる成果保護の件数が激増し、年間30件だった生活保護関係の相談が7月の段階で51件を記録している。寄せられた相談は貧困者の生活保護申請の拒否やケースワーカーによる指導パワーハラスメント、生活保護の打ち切りなどがある。さらに深刻なことは、保護を辞退したいと相談にくる人間が増えていることである。生活保護受給者の報道には生活保護受給者に関わらず良い生活をしている実例がある。しかし、これにはいくつもの事実誤認がある。まず日本で生活保護を受給するには、世界的に見て異例なほどの審査が行われる。さらには、家や預金、さらには生命保険などの「財産」は基本として使い果たすことが求められる。また、財産の処分だけではなく、預金通帳がすべてチェックされる。そのため、プライバシーが丸裸にされ「貧困者」であることの証明を求められることになるのだ。これらのように、生活保護を受給するまでもした後も、精神を非常に疲弊するのだ。
 これらの問題を解決するため、解決策として挙げられるのは法改正をすることである。実際に法改正はされており、2013年には成立された。その中で最も大きな影響を与えるのは申請に関する条文である。口頭だけでも良かったが申請できたが、申請書・関係書類の提出は義務化された。生命の保障に対する行政責任を利用者に転嫁された。そのため貧困状況を証明できなければ行政は動けない。このような悪法の改正が必要である。
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c1192681 海谷一彰さん (8ez6fx71)2022/8/3 23:43削除
(840字)
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C1210717 加藤大地さん (8eyor23i)2022/8/3 23:39 (No.494567)削除
「食」から考える地方創生ーー高橋博之『都市と地方をかきまぜる〜「食べる通信」の奇跡』(株式会社光文社、2016年)

 この本は、一人の元政治家の話から始まる。本書を手掛けた高橋さんは、元々岩手議会議員だったが、岩手県知事選挙での落選を経て政界を引退。そして、現在はNPO法人東北開墾の代表理事を務め、ビジネスモデルの1つである、「東北食べる通信」の編集長も務めている。
 高橋さん自身が都会と田舎を行き来することによって、田舎又は地方で叫ばれる社会問題とは別に、都会にも「檻」と言えるような内在化された暮らす上での問題があることに気がついた。東日本大震災を経験して、ボランティアなどを通して被災者と都市住民の連帯する姿から、普段の生活から解き放たれたような都市住民の姿を目にして、これを日常化したいと考えた高橋さんは、「食」とうい誰もが当たり前に必要な要素に目を向けた。作る田舎と食べる都会という繋がりが希薄化された現在において、その繋がりを再び示し、その生産の経緯や自然とのつながりを知ることで、消費者自身の生きる実感を取り戻そうと始めたのが「東北食べる通信」だった。
 よくスーパーであるような、生産者の顔つきの商品のように、段ボールに食材と生産者のバッグストーリーの分かるタブロイド誌を同封するというシンプルな活動でありながら、SNSを通じて消費者と生産者を繋いぐコミュニティを実際に作ることで、同じ食べ物を主題とした確かなコミュニティが形成されていった。この活動の中で、活動規模よりもコミュニティ作りに注力した事も成功の要因だと言える。適切な大きさの輪を作ることで、あえて繋がりやすい距離を保っていたのだ。 
 ITの発展により便利になると共に希薄化された生活の中に、距離的に今まで接点を持たなかった人同士の新たな繋がりを作ることで、本書タイトルのように都市と地方をかきまぜた、コミュニティを作れたのだと考える。(806字)
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C1210717 加藤大地さん (8eyor23i)2022/8/3 23:42削除
提出し直した際、他の人の名前で同じ内容の文が提出されてしまいました。こっちが正しい方です。
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