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C119014A 池田詩穂さん (8ezj8zch)2022/8/3 23:32 (No.494559)削除猫も人間と同様かけがえのない命を持って生きているーー山本葉子・松村徹編著 『猫を助ける仕事「保護猫カフェ、猫付きシェアハウス」』(光文社新書 2015年)
著者の1人である山本さんは、NPO法人東京キャットガーディアンの代表である。この団体は、飼い主のいない猫の避難所と、譲渡会場を兼ねる猫カフェ型の解放シェルターを開設して、行政の保護施設などから猫を引き取り、飼育希望の方に譲渡する活動を行っている。共著者である松村さんは不動産関連の株式市場の研究を専門としているが、上記の団体から猫を譲り受けてからはペットと住まいのあり方についても関心を持つようになった。
本書のテーマは、団体の目標である「殺処分ゼロ」を掲げつつ、「動物保護をソーシャルビジネスにする」ということである。活動内容は、前述の避難所へ行政の保護施設から猫を1度引き取り、譲渡会場を兼ねる猫カフェ型の解放シェルターを飼育希望者が猫たちと交流する場所として設け、飼育希望者に譲渡を行っている。譲渡実績や知名度が上がるのと比例し、相談者の種類も多くなっていった。しかし、創設以来変わらないスタンスがある。それは行政の保護施設で殺処分されようとしている猫の引き取りを最優先することである。毎日何百頭もの猫が殺処分されている残酷な現実があるからである。
1章には某団体の代表である山本さんにとって忘がたいエピソードが綴られていた。数々のエピソードを読み1匹の猫に対して、代表山本さんをはじめこんなにも多くの人が必死になり救わんとしていることに感動した。山本さんの必死さ、救助した人たちの勇気、猫に対する愛情、有り余る程の愛情に対して足りないシステム、中途半端な善意での餌やりがもたらす問題…沢山のエピソードから多くのことを学んだ。猫を救うには愛情だけではどうにもならないことがあることも、システムや場所があれば救える数が桁違いに増えることを団体の活動から知ることができた。そして、最も重要な事として譲渡をする際には、飼育希望者の飼いたいという気持ちだけで決めることはせず、「守りきれるか」どうかをしっかり判断して行うことも、「猫を助ける仕事」の中で重要な作業の一つなのである。
(835文字)
申し訳ありません。
見返したらタイトルが意味が通じないかと思ったため再投稿します。